クイズチームでは、「クイズでチームビルディング」というサービスを展開しています。
いわゆる…お堅くなりがちな研修やセミナーを皆で楽しめるクイズを使って開催しよう!
ということなのですが…ここで重要になるのが「UXの視点」。
最近よく耳にするユーザーエクスペリエンス。
UX…ユーザーが商品やサービスを通じて得られる体験を指しますが、
私たちが重要視するのはさらにその先にある「明日からの生活」にどう繋がっていくか。
過去に私が担当しました「雑学王」というテレビ番組がありました。
この番組のサブタイトルって覚えていますか??
「明日誰かに話したくなる」。なのです。
実はこのサブタイトル、雑学王でのクイズを作る上での指針となり…
「誰かに伝えたくならない」クイズは速攻でボツになっていました。
「この誰かに伝えたくなる」という漠然とした一文を紐解くと…
人に伝えるという事は
① ネタが普遍的であり共通の話題になりやすいこと。
② さらに皆が知っていること(あるあるネタ・うすうす気づいていること)であること。
③ 知識を用いずとも考えたら出てくること(知識がないと解くことが出来ないはダメ)
例えば、マラソンをお題にクイズを作ってみましょう。
あなたはどんなクイズを作りますか?
よくある雑学クイズを例にとります。
Q:マラソンの距離はなぜ42.195kmになった??
答え:1908年の第4回ロンドン大会当時42kmで設定していたのですが、
イギリス王女が「スタートは城の窓から見えるように宮殿の庭で、ゴールは競技場にあるボックス席の前に設置してほしい」とリクエストした結果、当初の42kmよりも距離が延び、42.195kmになったと言われています。
うん。これは知っているか知らないかの世界ですよね。
パリ五輪マラソンの中継時、お父さんがドヤ顔でお母さんにこの雑学を伝えてみるとします。十中八九すべり倒すことでしょう。
私がマラソンを見てクイズ問題を作るとしたら…まずは上記で紹介した②から思考をスタートさせます。
②皆が知っていること(あるあるネタ・うすうす気づいていること)であること。
マラソンで気づくあるあるネタ…。
私がテレビ中継を見ていて最も感じたのは
マラソンコースってなんかグニャグニャしてない!?ということ。
陸上トラック競技であれば…周回コースや直線コースが一般的ですがマラソンだけ、
北に向かい、東に折れ、西の方向で折り返し…。これは名所を回らせたい??のか。
とも思ったのですが、調べてみると答えは「風の影響を受けにくいように」。
例えば、東から一直線の道で西へ向かい、折り返すコースになった場合、向かい風、追い風が一方通行になり参考記録になる場合があるのです。
そのため、マラソンコースのルールには…スタートとゴールの2点間の理論上の直線距離は、そのレースの全距離の50%以下とするとあります。
したがって「風の影響を受けにくいように」という答えを紐解くと…
〇マラソンのコースは普遍的であり、テレビ中継で一度は見たことがあるので共通の話題になりやすい。
〇マラソンの折れ折れコースはぼんやりとなんで?という疑問を持ちがち
〇折れている理由は…知識を用いずとも考えたら出てくること。
にも当てはまり、明日話したくなるにつながるのです。
という訳で、お父さんがお母さんに伝える場合…
なんでマラソンコースってぐにょぐにょなのか知ってる??
と知識のマウントをとるような形で伝えてはいけません。
「マラソンのコースって、どこのマラソンも右行ったり左行ってりしているよね。
なんでかなぁ」と相手が答えたくなるようなフリをしてあげると最高です。
前置きが長くなりましたが、これがユーザーエクスペリエンスが入るクイズです。
このクイズを解く、答えを知ることによって、マラソンコースの形の理由に
注目するという目線が生まれます。
そこから少し思考を発展し、じゃぁなんで陸上トラックは左回り??競馬場はどっち周りだっけ?風の影響ということなら…野球場はどの方角に作るのが最適なの??
風の影響を受けやすいバドミントンや卓球は空調はどうしている??
など、日常においてちょっとした知的好奇心を頭の片隅に置くことができるため
クイズによって新しいユーザー体験をしやすくなるのでした。