先日、高齢者施設におじゃまして、「懐かしクイズ」を活用したレクリエーションを行ってきました。
「昔の歌手の名前を当てる」「昭和の流行語を思い出す」「給食でよく出たおかずを選ぶ」など、
出題されるたびに「これ知ってるよ!」「あ〜思い出せない!」
「懐かしいねぇ〜」と会場は笑いと驚きでいっぱいに。

一見するとただの娯楽に思えるかもしれませんが、
実はこの“思い出しながら答える”という行為が、認知症予防の観点で非常に重要だと言われています。



クイズが認知症予防に効く理由

〇脳の“検索エンジン”を刺激する
記憶の引き出しを探る作業は、脳の海馬や前頭葉を活性化させます。
忘れかけていた言葉や映像、匂いまで引き出されることも。

〇「正解」による快感と達成感
答えが合っていると感じた瞬間、脳は“快”の信号を出します。
それが「またやってみよう」という意欲につながります。

〇会話が増える=社会性が保たれる
「この人知ってる?」「あの頃さあ…」と、周囲との交流が自然と増える。
孤立を防ぐことができるのも大きなポイントです。


実際に現場で感じた変化

ある80代の方は、最初は少し無口でしたが、初代新幹線の名前は?」という問題で目を輝かせ
「0系やろ!見に行ったもん!」と声を上げてくれました。
そこから一気に思い出話があふれ出し、周囲の方々も「私もあれ見たことある」
「懐かしい!」と盛り上がっていました。

大切なのは「ただの記憶力テスト」ではなく
「記憶の旅に出る」こと。クイズは、その旅の“切符”になるのです。


クイズは記憶の“扉のノック”

認知症予防において、「過去の記憶を呼び起こすこと」は非常に有効です。
でも、ただ「思い出して」と言われても難しい。
だからこそ、クイズという“きっかけ”が、自然と心をほぐしてくれます。

高齢者の皆さんの中に眠っている“人生の宝物”を、クイズというツールでそっと引き出してみませんか?